Uneasy cohabitation

 気候変動や世界各地で発生する自然災害と並んで、新しいウィルスの出現は、今後も免れえないだろうと言われています。その一端は資本主義のもとで行われる人々の活動が及ぼす地球環境に対する悪影響だとされています。これに対して、現状の国家や資本の側の打ち出す対応やその効果は、SDGsの活用に代表されるようなパッケージ化して目標を掲げることを利用したイメージアップ、消費者・生活者の罪悪感の減免に留まってしまっているように見えます。また、癒着によるマスメディアの機能不全や、他方でSNSの出現と普及により顕在化した世論の分断が、民主主義の危機をより深刻化させ、迫りくる問題の民主的決定による早期対応を難しくしていると言えるでしょう。
 COVID-19のパンデミックは、給付制度や入国管理のあり方などを通じ、国家や、戸籍・血縁関係をもとにした従来の因習的な家族や世帯という単位と、その下支えとして機能している性・愛・生殖などをめぐる規範には限界があることを改めて露呈させました。生活の基盤・根幹を担う者は、富や特権のある者が回避できる危険や責務から逃れることができず、感染の矢面に立ちながら負担を強いられ、搾取される構造が顕著になりました。
 公衆衛生は植民地やグローバルサウスにおいて、または異質とされる者・集団に対して、病理・犯罪・野蛮のスティグマを押し、排除、隔離、制圧、暴力の手段とされることもあり、社会包摂や相互補助とは別の側面として、人々を疑心暗鬼や不安、孤独な環境に追いやることも想像に難くありません。
 そして人々に課せられた移動や行動・物理的な接触の制限は、オンラインでの業務管理や進化をつづけるゲームなどのアクティビティを介しサイバー空間でのコミュニケーションのもつ役割を増大させ、公共と個人の概念や身体性さえも変容させており、それにより一層グローバルな世界観でものごとを捉える必要性を高めています。
 人々の関係性の構築の前提となるものごとや、社会制度上のあらゆる保障などの枠ぐみの再検討とともに、社会やコモン、持続可能な市民的アクティビズムのあり方が議論されています。危機を前にして脆弱な存在はいかに社会で連帯して/せずに共棲するのか。ここではそんなことを話し合ってみたいと思います。

ファシリテーション
Maiko Asami(デザイナー / イベントオーガナイザー)
1983年東京生まれ。
1997-1999年 MP. ART WORX名義でパンクシーンでアートワーク制作活動を展開。
2001-2004年 武蔵野美術大学デザイン情報学科にてカルチュラルエンジニアリング/アートディレクションを専攻。
2004-2011年 卒業後、アパレル企業・ファッション研究所・IT系企業などに勤務。
2006-2013年 その傍ら、レズビアン&クィアカルチャーウェブマガジンTokyoWrestling.comエディター/バイヤーを務める。
2011-現在 脱サラ後、アクセサリーブランドBLACK TRIANGLE DESIGNを立ち上げ、独立。
2012-2019年 Neo Dark Age Queer Dance Party SODOM オーガナイザーを務める。
2019-現在 クィア&フェムDJパーティWAIFU オーガナイズメンバーを務める


BARBARA DARLINg(アーティスト)
新潟県生まれ、東京育ち。「Optional Art Activity「 Who is "Mr. SUZUKI”?」(Take Ninagawa, 東京, 2016)に参加、「作家ドラフト2016」(京都芸術センター, 京都, 2016)出展、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 東京, 2015)や「The shiny future exhibition 2013 The HUMANISATION」(東京都美術館, 東京, 2013)をキュレーション・出展。


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